
1929年6月24日 東京市(当時)中目黒で生誕。楫爾という名前は向井家の家長として自分で舵を取れという意味で祖父の向井英太郎が命名した。1959年大阪音楽大学卒業。故ニコラ・ルッチ氏に師事。NHK放送合唱団、関西二期会においてテノール歌手として活躍した。オペラ、日本歌曲、イタリア歌曲、バロック音楽、カンツォーネ・ナポリ民謡、ポピュラー音楽までの幅広いレパートリーのリサイタルを毎年企画、合計21回開催。1962年に大阪毎日国際サロンで開催したリサイタルに対しては、第1回音楽クリティック・クラブ賞新人賞を受賞した。 1982年、喜歌劇楽友協会を設立して、理事長に就任。当時日本において演奏される機会が稀であったオペレッタに注目しオペレッタ専門団体として活動を開始した。クラシック音楽が一般的に広く受け入れられるためには、美しい音楽のみならず芝居、踊りの要素にあふれるオペレッタ作品こそ最適であるとの信念に基づき、上演・普及活動に取り組んだ。各公演では、美術・衣裳・演出等を自ら手がけ、2014年の活動休止に至るまでの32年間で、本公演だけでも、実に58回ものオペレッタ・オペラ公演を制作した。 2022年4月10日 大阪府羽曳野市で逝去。享年92歳。

